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クラシックな外観の準広角

 コシナはツァイスとのコラボレーションによる「ツァイス」ブランドと独自企画の「フォクトレンダー」ブランドの2路線でレンズをラインアップしている。フォクトレンダーは趣味性と光学性能を両立させる思想で、ツァイスとは異なる独自の存在感がある。
 ウルトロン35㎜ F1.7はかつて同スペックレンズがラインアップされていたが、デジタル化に合わせてリファインされた。クラシカルなデザインを採用した「ヴィンテージライン」で、ノクトン50㎜ F1.5Asp
hericalに次ぐ第2弾となる。
 真鍮製のシルバー、アルミ製のブラックが用意されている。シルバーは手にすると驚きの重量級だが、仕上げはレトロ感たっぷりで美しい。デジタル対応してもフォクトレンダーの製品思想にはブレがないということなのであろう。




最短撮影距離で撮影。合焦点の切れ込みのよさは見事。前後ボケも自然だ。絞り羽根は10枚。ライカMにもソニーα7シリーズにつけてもバランスがよい●LEICA M(Typ240)・絞り優先AE(絞りf4・4000分の1秒)・ISO200・AWB・RAW
最短撮影距離で撮影。合焦点の切れ込みのよさは見事。前後ボケも自然だ。絞り羽根は10枚。ライカMにもソニーα7シリーズにつけてもバランスがよい●LEICA M(Typ240)・絞り優先AE(絞りf4・4000分の1秒)・ISO200・AWB・RAW




デザイン
同シリーズのノクトン50mm F1.5 Asphericalと似ており、デザイン優先思想による設計だ。シルバーの鏡面のようなメッキが美しい。別売でスリット入りフードも用意され、真鍮製、アルミ製を選択できる

使用感・操作感
シルバーモデルは距離や絞り指標のエングレーブが細かく、視認しづらいほどデザイン仕上げを優先。これもアリだという説得力がある。最短撮影距離は距離計連動外だが0.5mで実用的

描写性
レトロなデザインだが、写りは現代的。開放から切れ込み、コントラストも申し分ない。なお、クラシックな描写を望む人向けにノクトン クラシック35mm F1.4 SCが用意されている

◆ 赤城耕一


* * *
●焦点距離・F値:35mm・F1.7●レンズ構成:7群9枚(非球面レンズ1枚)●最短撮影距離:0.5m●画角:62°●フィルター径:Φ46mm●大きさ・重さ:Φ53×50.9mm・シルバー330g、ブラック238g●価格:シルバー13万5000円(別売フードは1万2000円)、ブラック11万5000円(別売フードは1万円)。いずれも税別