これは私だけでなく、世の老人全般に言えることです。実際、丁寧に伝えればいいのに、甘えや手抜きからそれをサボって、無用のトラブルを生んでしまうことはよくあるようです。こういう態度は、とくに親しい人に対して見せがちです。それは親愛の情の裏返しかもしれませんが、相手からすれば「身勝手な振る舞い」にしか見えないようなので注意しなければと思っています。

興味のない話は頭に入らない

 加齢は、相手にわかってもらう努力のエネルギーが失われていく一方で、相手の言っていることを理解する努力のエネルギーも失われていくもののようです。相手が一生懸命話しているのに、理解できない、理解しようとしないというのも、老化現象の一つです。

 これも私には身に覚えがあります。家族団らんのとき、まわりがいろいろと話したことが右から左に通過して、ほとんど覚えていないことがあります。頭の中を素通りするのは、自分が関心がないことです。それでいて長年の経験で、表面上はさも聞いているような態度で受け答えをしています。そのせいで「ちゃんと聞いていたのになぜ」とか「もしかして認知症か」と事が大きくなるのです。

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老いてからはより気遣いが必要