昨年、性犯罪刑法が改正され、「強制性交等罪」が「不同意性交等罪」になった。それまでは「暴力があったか、強制があったか、どれほど抵抗できない状況だったのか」が問われていた性犯罪が、「そこに同意はあったかなかったか」が問われるようになったのだ。そういう社会で、私たちは本気で「性的同意」について学ぶ時代にきているのだと思う。学ばなければ、そうとは気がつかずに加害者になってしまう人も出てくるだろう。
「性的同意」とは、「ノー」をきちんと言ったかどうかではなく、「ノー」と言える環境がそこにあったかどうかである。
とはいえ、そもそも「ノー」と、ここで英語で書いている時点で、私も「性的同意」を、これまでの人生できちんと取ってきたかどうか不安な気持ちになっている。「いやだ」「できない」「したくない」「無理」という否定の言葉の強さに、女性ジェンダーに囚われている人であればあるほど、発するのは難しいこともあるだろう。女に否定されたと切れる男ジェンダーもあるだろう。そういうことも含めて、私たちは「性的同意」を学んでいかなくてはいけないのだ。