ドジャース・大谷翔平(ロイター/アフロ)

 ドジャース大谷翔平(エンゼルスからFA)に続いて、大谷に次ぐ移籍市場の大物である山本由伸(オリックスからポスティング)も獲得した。

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 大谷とは10年総額7億ドル(約1031億3000万円)と北米4大プロスポーツ史上最大の契約を結び、山本は12年総額3億2500万ドル(約478億80000万円)と投手史上最大の契約でチームに招き入れた。

 メジャーリーグではこれまでヤンキースが豊富な資金力を武器にFAの目玉選手を多く獲得し、圧倒的な戦力を誇ることから“悪の帝国”と呼ばれてきたが、今ではドジャースがその名に最も相応しいと言える状況になってきている。今季もナ・リーグ西地区ではライバルらしいライバルはおらず、少なくとも地区優勝は濃厚と見られている。

 チームの年俸総額では2023年シーズンこそ1位メッツ、2位ヤンキース、3位パドレスから離され、6位とトップではなかったが、2022年以前は10年間で6度トップに君臨。成績的にも2020年にワールドシリーズを制覇するなど11年連続でプレーオフに進出している。間違いなく今もっとも安定して勝っているチームと呼べるだろう。

 一方、ヤンキースも2017年から2021年まで6年連続でプレーオフに出ているが、世界一となったのは松井秀喜がMVPを獲得した2009年が最後。昨シーズンは1990年以来の最下位こそ免れたものの、ア・リーグ東地区4位と苦しんだ。所属する地区は強豪がひしめくとはいえ、名門らしからぬ戦いぶりは日本でも話題になった。

 メンバーには打のアーロン・ジャッジ、投のゲリット・コールとそれぞれ大黒柱がいるものの、それ以外の選手は大型契約を結びながら苦戦している選手が目立つ。

 野手のジャンカルロ・スタントン、DJ.ルメイヒュー、投手のカルロス・ロドンなど本来ならチームの軸になるべき大型契約選手の多くが、不良債権化の匂いを漂わせている。今オフにはメジャー屈指の若手ホアン・ソト外野手をトレードで獲得したが、今シーズンのオフにはFAになる見込みで、あくまでソトの補強は“今季限定”となる可能性もあり、戦力補強には苦戦しているようにも見える。

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ドジャースが悪の帝国を名乗るのはまだ早い?