駅では始発から終電まで交代で切符を切り、精算業務もこなすことで、電車の運行が成り立っていた。そのことに、客はときに「ありがとうございます」と言ってくれた。研修後に本社の経理部へ配属され、回ってくる売上高をみたときに「この数字は、あの現場の日々の積み重ねなのだ」と心に響く。
87年7月、西鉄福岡駅開発本部のターミナル開発部へ異動した。大改造する福岡(天神)駅と百貨店の三越が入るソラリアターミナルビル、隣のソラリアステージビル、ホテルが入るソラリアプラザビルの三つを建てる「ソラリアプロジェクト」が動き出していた。そこで予算全体の計数を管理する係長。1100億円に上る大事業に、目を光らせる役目だった。
地元参加で動き出す歩いて楽しい街へ「天神ビッグバン」
6年後、ターミナル開発部の専門店課長になる。旧来のビルに入っていた店がまた入居するか、閉店や移転するかの交渉を進め、その間の仮店舗を用意する部署。移転費など話が厳しくなると、交渉へ出た。「すぐそばにいて、待つ」の『源流』は、まだ湧き出していない。
97年2月、ターミナルビル3階に天神バスセンターの乗車設備を開業。同9月にターミナルビルができて、10月に福岡三越が開いた。翌98年4月に天神バスセンターに降車設備も完成、99年3月にステージビルが竣工した。この間に不動産事業局へ異動し、西鉄インやチャチャタウンの開発へ移って、プロジェクトの完成はみていない。