一方、1年でJ2逆戻りとなったのが、横浜FCだ。開幕10戦未勝利から巻き返したが、湘南ベルマーレとの直接対決に敗れて力尽きた。その傷口に塩を塗るように、今オフは山下諒也がG大阪へ、近藤友喜が札幌へ、林幸多郎が町田へ、主力3人がJ1クラブへ引き抜かれ、吉野恭平は韓国・大邱へと移籍。井上潮音、ユーリ・ララのボランチコンビは残留したが、シャドー、左MF、右MF、左DFと、成長株でもあった主力4人の退団は戦力的な大きなマイナスになる。
もちろんオフには補強にも励み、FW宮田和純(←流通経済大)、MF小倉陽太(←早稲田大)、MF橋本丈(←関東学院大)らの大卒即戦力選手に加えて、FW村田透馬(←岐阜)、FW櫻川ソロモン(←千葉)、FW室井彗佑(←大宮)、FW森海渡(←柏)、MF中野嘉大(←湘南)、DF福森晃斗(←札幌)を獲得した。だが、現時点では退団した4人の力の方が大きい。プラス面は、“福森の直接FK”という飛び道具を手に入れたことと、J2での戦い方も知る四方田修平監督が引き続きチームを指揮することか。
今季のJ2は例年以上の混戦が予想される。J1復帰のためには秋葉忠宏監督とともに「今度こそ」と燃える清水エスパルス、渡邉晋監督就任から巻き返して昨季J2で5位に食い込んだモンテディオ山形、小林慶行監督のサッカーがフィットして後半戦に快進撃を見せたジェフ千葉に加え、アジアの戦いを経験しているヴァンフォーレ甲府や片野坂知宏監督が復帰した大分トリニータ、森山佳郎監督が就任したベガルタ仙台など、ライバルは多い。このままJ2の“沼”に引きずり込まれるのか。まずはスタートダッシュが肝心。そのためにも、ここからの1カ月のチーム作りが重要になってくる。(文・三和直樹)