「吾子」そして親子3人

 久々に「吾子」が登場したのは、2017年の歌会始の儀で、そのときのお題は「野」だ。

【那須の野を 親子三人(みたり)で 歩みつつ 吾子(あこ)に教(をし)ふる 秋の花の名】

 宮内庁の解説/御用地内の翁ガ丘を三殿下でお歩きになりながら、そこに咲く、松虫草、女郎花、梅鉢草などの秋の草花を内親王殿下にお教えになった時の喜びをお詠みになったものです。

「吾子」だけでなく、綴られた「親子三人」という言葉からも、天皇ご一家の仲の良さがにじみでる御歌だ。

「歌会始の儀」を終えた天皇、皇后両陛下=2024年1月19日 皇居・宮殿「松の間」、代表撮影

 雅子さまの「吾子」である愛子さまは、一昨年、歌会始デビューをし、今年は3回目の御歌の披講となった。

 そして、愛子さまは、学問への感銘を詠われたが、なんとも壮大なスケールを感じさせるものだった。

【幾年の 難き時代を乗り越えて 和歌のことばは 我に響きぬ】

 愛子さまは、学習院大学4年生に進級され、授業で学ばれた中古・中世に詠まれた和歌が戦乱の世も越えて、千年の時を経ていまに受け継がれていることに感銘を受けられた気持ちを詠まれたという。

  中学の卒業文集に平和への思いを綴っていた「吾子」である愛子さまが、大学4年生となってこのような御歌を詠まれるとは――。成長された愛子さまの御歌は、私たちにとっても感慨深い。(AERA dot.編集部・太田裕子)

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