生活費として公費が支払われている皇族は、個人の所有物かそうでないか線引きがあいまいなところがあった。そうした背景も影響したのか、平成に入って三笠宮家の彬子さまが成年を迎えたあたりから、ティアラは宮内庁の予算として公金で制作されるようになった。
愛子さまのティアラがいつ新調されるのか、毎年注目されているが、宮内庁の2024年度の概算要求でも予算が計上されなかった。物価高など社会情勢を鑑みて、新調を控えているのだという。
ひときわ大きな紀子さまのティアラ
今年の新年祝賀の儀では、皇后雅子さま、秋篠宮妃の紀子さまと次女の佳子さま、高円宮妃の久子さまと長女の承子さま、三笠宮家の彬子さま、瑶子さまも、それぞれ美しいティアラを着用した。
宮内庁の資料などによると、内親王だった秋篠宮家の長女、小室眞子さんのティアラと宝飾品は「和光」で2856万円、次女の佳子さまは「ミキモト」で2793万円をかけて制作された。大正天皇のひ孫にあたる三笠宮家や高円宮家の女王方の場合は1500万円前後だった。
なお、結婚した眞子さんのティアラは現在、宮内庁に預けられている。
皇后である雅子さまが着用したのは、明治以降の歴代皇后に受け継がれてきたティアラだ。
ティアラはもともと天皇の「由緒物」。それを明治天皇以降、歴代天皇が皇后に「お貸し下げ」してきた。
皇后が着用するティアラは複数あり、即位の儀や今年の新年祝賀の儀で雅子さまは、通称「第一ティアラ」と呼ばれる宝冠を着用した。