「新年祝賀の儀」で、初めてティアラを着用した両陛下の長女愛子さま。おばの黒田清子さんのティアラを借りており、新調のタイミングが注目される=1月1日、皇居・宮殿

 生活費として公費が支払われている皇族は、個人の所有物かそうでないか線引きがあいまいなところがあった。そうした背景も影響したのか、平成に入って三笠宮家の彬子さまが成年を迎えたあたりから、ティアラは宮内庁の予算として公金で制作されるようになった。

 愛子さまのティアラがいつ新調されるのか、毎年注目されているが、宮内庁の2024年度の概算要求でも予算が計上されなかった。物価高など社会情勢を鑑みて、新調を控えているのだという。
 

ひときわ大きな紀子さまのティアラ

 今年の新年祝賀の儀では、皇后雅子さま秋篠宮妃の紀子さまと次女の佳子さま、高円宮妃の久子さまと長女の承子さま、三笠宮家の彬子さま、瑶子さまも、それぞれ美しいティアラを着用した。

「新年祝賀の儀」に臨む秋篠宮家の次女佳子さま。髪の結い上げ方もこれまでよりアレンジされ、ティアラとともに優雅な雰囲気=1月1日、皇居・宮殿

 宮内庁の資料などによると、内親王だった秋篠宮家の長女、小室眞子さんのティアラと宝飾品は「和光」で2856万円、次女の佳子さまは「ミキモト」で2793万円をかけて制作された。大正天皇のひ孫にあたる三笠宮家や高円宮家の女王方の場合は1500万円前後だった。

 なお、結婚した眞子さんのティアラは現在、宮内庁に預けられている。
 

即位の礼「祝賀御列の儀」で雅子さまの顔の上に輝くのは「皇后の第一ティアラ」。沿道の人びとを見つめ、目頭をおさえる姿は話題になった=2019年、東京都

 皇后である雅子さまが着用したのは、明治以降の歴代皇后に受け継がれてきたティアラだ。

 ティアラはもともと天皇の「由緒物」。それを明治天皇以降、歴代天皇が皇后に「お貸し下げ」してきた。

 皇后が着用するティアラは複数あり、即位の儀や今年の新年祝賀の儀で雅子さまは、通称「第一ティアラ」と呼ばれる宝冠を着用した。

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紀子さまのティアラが変わった理由