マンガ大賞の賞金は100万円! 隔月刊誌への掲載も
最終候補に残ったのは【マンガ部門】で7作品、【原作部門】で10作品。これらの作品に対して選考委員の4人が議論を重ね、各部門の大賞と優秀賞が下記の通り決定した。
約3時間にも及んだ最終選考会では、4人の選考委員から多くの意見が飛び交った。マンガ家の視点から選ぶ作品と、映像に携わる人が薦める作品の違い……有益で実りある選考会の様子をお届けする。
起承転結の大切さと、ミスリードの面白さ
【マンガ部門】
伊藤潤二:「形人間」と「縊鬼」と「あなたはわたしのかわいいこ」の3作品を選びました。「形人間」は、登場人物たちが何を考えているかわからないのですが、「形人間」の顔も不気味で絵が面白いなと思いました。
「縊鬼」は、どうして首をつるのかと、不思議だったんですが、調べたら中国の妖怪でいるんですね(編集部注・日本及び中国の伝承で語られる、首つり自殺を強要させるという悪霊)。それで、〝あっ、なるほどっ〟て腑に落ちたんです。そういう謂れがあるのも面白いなと。
「あなたはわたしのかわいいこ」は、最後におばあちゃんの死体から何かが出てくる。その辺の描き方にもう少し説得力があると、もっと良かったかなと思いました。
波津彬子:起承から転結が一番きちんと描かれている「あなたはわたしのかわいいこ」。おばあちゃんが思っていることが実は違うみたいな、ミスリードがあるのも良くて。