演劇やドラマで旋風を起こしてきた脚本家・宮藤官九郎と、中村屋に生まれ、父の遺志を受け継いだ歌舞伎俳優・中村七之助は、とても気が合う。AERAでは二人のインタビューを刊行、2024年1月15日号に掲載している。取材時、二人は実感した格言やことわざを、動画で明かしてくれた。果たして二人の近況とは――?
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まず、気さくに話してくれたのは、宮藤さんだ。
宮藤官九郎:
宮藤官九郎です。
ぼくが肝に銘じていることわざはですね、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」です。
なんでかっていうと、忘れるんですよね。自分がなんなのか、というのを。
それで時々、ものすごい横柄な態度をとってしまうことがある、スタバの店員さんとかに。
その時に、「あっ、ヤバい、おれ、『実るほど』だ。頭垂れなきゃ!」って。急に、「あぁすみません!!」ってなることがある。常にそうしてます、うん。よろしくお願いします。実るほど頭垂れてなかったら、言ってください。
実るほど頭を垂れる稲穂かな――。
経験を積み、仕事にも慣れてきたビジネスパーソンも参考になる、さすがの視点ですね。
続いて、朗々とお話してくれたのは七之助さん。