宮藤官九郎(くどう・かんくろう 左):1970年7月19日、宮城県生まれ。2001年、脚本家として映画「GO」で第25回日本アカデミー賞最優秀脚本賞受賞。以降も様々な話題作の脚本・演出等を手掛ける/中村七之助(なかむら・しちのすけ):1983年5月18日、東京都生まれ。十八世中村勘三郎の次男。86年、初お目見得。歌舞伎舞台以外にも映画「真夜中の弥次さん喜多さん」等の映像作品に出演(撮影/写真映像部・高野楓菜)たり
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 演劇やドラマで旋風を起こしてきた脚本家・宮藤官九郎と、中村屋に生まれ、父の遺志を受け継いだ歌舞伎俳優・中村七之助は、とても気が合う。AERAでは二人のインタビューを刊行、2024年1月15日号に掲載している。取材時、二人は実感した格言やことわざを、動画で明かしてくれた。果たして二人の近況とは――?

【写真】宮藤官九郎さんが大切にしていることわざとは…

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 まず、気さくに話してくれたのは、宮藤さんだ。

宮藤官九郎:

七之助さんと対談する宮藤官九郎さん。「現世にいないですよね。持っているものが全然違う」(撮影/写真映像部・高野楓菜)

宮藤官九郎です。

 ぼくが肝に銘じていることわざはですね、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」です。

 なんでかっていうと、忘れるんですよね。自分がなんなのか、というのを。

 それで時々、ものすごい横柄な態度をとってしまうことがある、スタバの店員さんとかに。

 その時に、「あっ、ヤバい、おれ、『実るほど』だ。頭垂れなきゃ!」って。急に、「あぁすみません!!」ってなることがある。常にそうしてます、うん。よろしくお願いします。実るほど頭垂れてなかったら、言ってください。

 実るほど頭を垂れる稲穂かな――。

 経験を積み、仕事にも慣れてきたビジネスパーソンも参考になる、さすがの視点ですね。

 続いて、朗々とお話してくれたのは七之助さん。

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七之助さんが繰り出す格言は?