現在、ザバスの売れ筋ベスト3は、1位「ザバス ホエイプロテイン100」リッチショコラ味、2位「ザバス アドバンスト ホエイプロテイン100」ココア味、3位「ザバス ソイプロテイン100」ココア味だそう。上位3製品はカカオ系が占めたが、こうした甘いプロテインとともにレモン味などの柑橘系もゴクゴクいける清涼感から人気で、二極化している。
コスパか品質か
21年に英国系の「マイプロテイン」が伊藤忠商事とタッグを組んで日本に進出したことで、シェア争奪戦が激化。ちょうどその頃、明治がリニューアルして登場させたのが、前述の売り上げ2位「ザバス アドバンスト ホエイプロテイン100」だ。
「理想のアミノ酸組成を追求し、必須アミノ酸の一つであるロイシン(前出)に着目した『アシッドホエイプロテイン』を使用しています」
粉のプロテインは参入ハードルが低い。配合を指定して製造を外部委託すれば(OEM)、特殊技術や専用工場を持っていなくても作れる。それが“プロテイン百花繚乱”の今につながっているわけだが、毎日飲むものだけに「安いが正義」の価格競争が加速してしまう。
コスパの良さをアピールしている「マイプロテイン」に対し、明治は国内食品メーカーならではの高品質と付加価値の高さで差別化を図っているようだ。
プロテイン初心者のために、基本をおさらいしよう。原料の違いによって「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」の三つに大別できる。牛乳などに含まれる乳たんぱく質のうち約20%を占めるホエイ=乳清から製造されるのがホエイプロテイン。カゼインは遠心分離された生乳を酸性化することで、ホエイから分離して作られる。ホエイに比べ消化吸収がゆっくりなのでスロープロテインとも呼ばれる。ソイプロテインは大豆(ソイ)由来だ。これら3種類は値段や味、利点に違いがある。
編集部で手当たり次第にプロテインを買って試飲した。その結果、おいしさの点から読者に推せると思ったホエイプロテインは「エクスプロージョン」と「ザバス」。ソイプロテインはニチガ(日本ガーリック)のものが値段もお手頃でクセがなかった。カゼインプロテインは粉っぽさが気になった。味覚の個人差にはご容赦いただきたい。(ジャーナリスト・大西洋平、編集部・中島晶子)
※AERA 2024年1月15日号より抜粋