空想喫茶トラノコクは、7、Kon、ツッチー、ユーピケのメンバー4人が生み出した架空の喫茶店。InstagramもXも「@toranocoku」
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 職場で出会った4人が生み出した空想の喫茶店「喫茶トラノコク」。世界がコロナ禍に飲み込まれるのと前後して、SNSで喫茶店を紹介したり、絵本に出てきたおやつを再現したりする活動を始め、いまやInstagramで2.7万、Xでは15.4万のフォロワーを抱える。YouTubeのチャンネル登録者も1.78万人に。2023年には、初の著書『東京を旅する 異世界喫茶店めぐり』も出版した。

 2014年のムック「東京カフェ 2015」発売以来、毎年刊行を続け、2023年11月発売で10冊目となった「東京カフェ 2024」は、「異世界カフェ」を特集し、トラノコクのメンバーKon さんにも取材。目標は自分たちのリアル喫茶店を開店することだという彼ら自身のことや喫茶店へのこだわりについてじっくり聞いたインタビューを、まるごと公開したい。

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編集部 SNS で夜においしそうな喫茶写真を投稿したり、本を出版したりといった活動をされていますが、きっかけは何だったのでしょう? みなさん、キャッチフレーズなどもあって楽しそうでうらやましい。メンバーは、同級生などですか?

Kon 職場ですね。就職先で出会った仲間です。仕事終わりのおしゃべりで、喫茶店じゃないけれど居場所があったらいいねって。そんな話を喫茶店でしていて(笑)、居場所として始めたのがSNS です。実際にクリームソーダやホットケーキを作ってみたり、訪れた喫茶店を紹介したり。2019、20年頃に始めたので、3、4年くらい経ちましたかね。ちょうどコロナ禍に入った時で、おうち喫茶として自宅で喫茶メニューを作って楽しむ、遠くに行けないかわりに近くのカフェへ行く、そんな人たちが増えていたから、たくさんの人に知ってもらえたのかもしれません。

編集部 Kon さんにとって喫茶店ってどんな場所ですか?喫茶店めぐりの原点的なお店はありますか?

Kon 南青山の「蔦(つた)珈琲店」ですね。もうなくなっちゃいましたけれど。考え事したり、ちょっと仕事したり、通っていました。マスターさんがほかのお客さんと話しているのを、遠目で眺めたりするのも好きだったんですよね。殺伐とした心に癒やしを与えてくれました。この蔦珈琲店がきっかけで、ほかをめぐるようになりました。

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「撮影禁止」の没入空間