不幸中の幸いという言い方もできますが、実際、患者さんにはこのように説明しています。
私だけでなく、患者さんのことをよく考える歯科医師であれば、同じような提案をするでしょう。
親知らずを除くと歯は全部で28本です。
しかし、「すべての歯を残さなければならない」「失った場合は、その部分をなんとしても、補って28本を維持しなければかめない」などということは、決してありません。歯医者がこんなことを言うなんて、おかしいと思うかもしれませんが、加齢とともに歯が少しずつ失われていくのは、自然の摂理です。「8020(ハチマルニイマル)運動」が示すように、80歳で20本の歯が残っていれば、十分にかむことができるので、歯を補うかどうかは最終的に、患者さんが決めるということでいいのです。
「すぐにインプラントを入れないと、大変なことになる」などと言われたら、当然、疑問を持ち、他の歯科医院にセカンドオピニオンを取りに行くべきです。納得いくまで話を聞いた上で、どうするかを決めてほしいと思います。