自民党総裁選までに“岸田おろし”の動きはあるか

若手が突き上げれば政局は動く

「この研究会でリーダー的な存在を務めたのは、後に内閣官房長官や大蔵大臣を歴任した武村正義さんでした。滋賀県知事を3期務め、1986年の衆院選で初当選という経歴でしたから、1年生議員とはいえ、年齢は50代半ばでした。研究会には石破茂さんや鳩山由紀夫さんも加わっており、93年に結成された新党さきがけの母体にもなりました。また萩生田光一さんの後任として自民党の政調会長に就任した渡海紀三朗さんも参加していました。今回の起用も、渡海さんはベテラン議員でありながら派閥に所属せず、パーティー問題とは無関係だったことがポイントでした」(ベテラン政治記者)

 窮地にあるとはいえ、安倍派は自民党の最大派閥でありその影響力は大きい。もし政治改革をめぐって若手議員が上層部を突きあげるようなことが起きれば、政局は大きく動く。伊藤氏はこう語る。

「ただ今のところ、そうした動きは微塵も感じられません。自民党で4回生以下の若手議員となると、そのほとんどがいわゆる“安倍チルドレン”です。安倍一強時代の選挙戦しか経験がないので、彼らは苦労することなく当選を積み重ねてきたので、これまで声を上げる必要を感じたことはなかったでしょう。ごく少数の議員は声を上げましたが、たちまち“物言えば唇寒し秋の風”という状況に追い込まれてしまいました。はたして、自民党の若手議員、特に安倍チルドレンが政治改革の議論で存在感を示すのか、はたまた沈黙を続けるのか、これも注目されます」

 派閥幹部の顔色をうかがうだけだった“安倍チルドレン”が政治家としての気概を見せられるか。真価が問われている。

(井荻稔)

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