安倍政権の「一強時代」には多くの“安倍チルドレン”が生まれた

 12月13日、臨時国会が閉会したことにともない、岸田文雄首相は官邸で記者会見を行った。その際、記者が内閣総辞職の可能性と2024年秋に行われる自民党総裁選に立候補する可能性について問うたが、岸田首相は「今はそうした先のことを考えている余裕はないと思っています」とかわした。

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 とはいえ、やはり24年の政界は「岸田政権の浮沈」が最大の注目ポイントになる。政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。

安倍派会長だった細田博之さんが23年11月に亡くなり、衆院島根1区の補選は24年4月に行われる予定です。岸田さんの支持率がどれほど低下しても、これまで“岸田おろし”の風は吹きませんでした。しかし、もし補選で野党候補に大差で負けるようなことになれば、一気に“ポスト岸田”を巡る党内議論が活発化するかもしれません。さらに『24年秋の総裁選に、岸田さんは出馬しない』と予測する自民党の国会議員も少なくありません。岸田派の所属議員は46人しかおらず、他派閥からの応援がなければ勝てません。しかし、低支持率が回復する見込みはなく、そうなると総裁選では麻生派や茂木派は岸田さんを支持しないだろうという見立てです」

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井荻稔

井荻稔

ライター。福岡県出身。大手新聞社で主にサツ回りとしてキャリアを積んだあと、主に週刊誌やネットメディアで記事を執筆。フィールドはカルチャーから政治まで広いがゆえに、逆に得意分野はなし。趣味は映画鑑賞と暴飲暴食。

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