X用高性能大口径中望遠レンズ
富士フイルムのXシリーズ用交換レンズは、一部を除けば極端な小型・軽量化を目指していない。もちろん大口径や望遠レンズを35mmフルサイズ用レンズと同画角、同スペックのものと比べれば小さいが、描写に負担をかける設計をしないという思想なのだろう。そして今回の90mmレンズにも同じ思想を感じる。
35mm判換算の画角では137mm相当。本格的な引き寄せ効果が可能になる画角で、特にポートレートに適している。しかも開放F2と大口径。レンズ構成の8群11枚は同スペックレンズの中で枚数も多くぜいたくなものだ。鏡胴は太く、重量もある。
このレンズでは、円形の美しいボケとシャープネスが両立している。性能への追求は尋常ではなく、撮影結果にもそれは表れている。特にポートレート派には必携のレンズになるだろう。
デザイン
太い鏡胴で大きいレンズだ。ただカメラバッグへの収納には問題ない。フードは深くて適切
使用感・操作感
新開発のクアッド・リニアモーターを内蔵。マグネットを4基配置した構造でAFは快適
描写性
合焦点とボケのバランスは同スペックレンズの中でも最高レベル。口径食も気にならない
◆ 赤城耕一
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●焦点距離・F値:90mm・F2●レンズ構成:8群11枚(EDレンズ3枚)●最短撮影距離:0.6m●最大撮影倍率:0.2倍●画角:17.9°●フィルター径:Φ62mm●大きさ・重さ:約Φ75.0×105mm・約540g●価格:オープン(実売11万8260円)