
スマートフォン向けの人気無料トークアプリ「LINE」で、飲食店の検索から予約までできるようになる。サービスの本格開始は今夏を予定するが、既に、一部サービスの公開は始まっている。
飲食店の検索や予約サービスは、実名グルメポータルサイト「Retty」と連動して行う。サービスを使用するには、「LINE」内にあるサービス「LINE App」を選び、その中にある「LINEグルメ予約」を選択すれば利用できる。「LINE」内で店舗の検索から予約ができるのが特徴だ。「デート」「友達と」「宴会」「ランチ」の4つの項目から店舗の検索も行える。
選択した店舗にそのままLINEの無料通話による電話予約も可能。これだけでも電話代的にお得なのだが、オペレーターによる予約代行サービスも実施するという。「予約依頼」と書かれた画面を開き、氏名や電話番号、来店日時や人数などの情報を入力すれば、あとはオペレーターが代わりに予約を入れてくれる。
同時に最大4店舗の空席確認も代行し、空席のある店舗から予約する使い方もできる。予約依頼から完了まで最短10分で完了するという。予約の可否の連絡は、LINEのトークを通じて行われるという。
最初は9都道府県(北海道・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・京都府・大阪府・兵庫県・福岡県)、約8500の飲食店からサービスを展開していく予定だ。年内に2万店以上の利用を目指していく。
既にウェブを使った店舗予約サービスは「ぐるなび」などのサイトが展開しているが、ここにきて強力なライバル出現といえるかもしれない。
提携先の実名グルメサイト「Retty」の広報担当者は、今回の提携についてこう語る。
「これまではFacebookの利用者を軸に、ITに強い層をターゲットにしてきた。今回LINEユーザーに拡大することで、より大きな層を取り込んでいきたい」
これまで「Retty」では、Facebookの利用者のみログインが可能で、店舗のレビューをつけることができなかった。今後はLINEで電話番号を登録するユーザーにも門戸を広げて、実名に近いサービスを展開していきたい考えだ。
一方、国内最大級、14万4000店の加盟店の情報を取り扱う「ぐるなび」はどのように受け止めているのだろうか。見解を求めたが、「コメントは差し控える」との回答が返ってきた。
LINEを使った飲食店予約サービスが、他のグルメサービスにどう影響するのだろうか。いずれにしろ、激戦は必至だ。
(ライター・河嶌太郎)