駒大苫小牧時代の田中

影響力のある立場

 チームも優勝から遠ざかっており、誰よりも責任を感じているだろう。万全の状態で来季に臨むため、10月下旬に「右ひじ関節鏡視下クリーニング術」を受けた。その中で想定外の逆風が。チームメートの安楽智大が後輩選手にパワハラ行為を働いていたことが、球団内の調査で認定された。安楽は自由契約となり、チームを退団した。球界を震撼させるニュースが報じられ、田中にも批判が及んだ。

「安楽がパワハラ行為をした現場に田中が居合わせていたという証言が一部のメディアで報じられ、SNS上では批判の書き込みで炎上する事態になりました。田中はパワハラに加担していたという事実はなく風評被害ですが、投手陣のリーダー的存在にもかかわらず安楽の行為に気づいて止められなかったのかと厳しい見方が多い。チーム内の体質を改善して再スタートを切るなか、田中だけでなくベテラン選手たちは若手の模範となる自覚が求められます。それだけ影響力のある立場ですからね」(スポーツ紙デスク)

 坂本勇人巨人)、柳田悠岐(ソフトバンク)、宮崎敏郎(DeNA)と「88年生まれ」の同学年の選手たちは、現在もチームに不可欠な中心選手として活躍している。「黄金世代の顔」である日米通算200勝を通過点に、再び輝きを取り戻せるか。

(今川秀悟)

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