「ぜんそくの発症には通常、アレルギーのしくみが関与していますが、成人のぜんそくでは、子どものぜんそくに比べて、アレルギーの関与が小さいケースも多く、その場合は、喫煙や過労、ストレスなどの関与が大きくなるのが特徴的です。また、成人のぜんそくでは、気道の炎症や平滑筋の収縮が長く続くことで、気管支の壁が厚く硬くなってもとに戻れなくなる『リモデリング』が起こりやすいことも特徴的です」

 リモデリングが起こると、症状が強く表れ、薬が効きにくくなって、治りにくい「難治性ぜんそく」になるリスクが高くなります。

 なお、子どもの場合、咳ぜんそくは成人ほどみられないこともわかっています。

気道の良い状態を保つことが治療の目標

 成人でも子どもでも、ぜんそくの治療は、次の三つが柱になります。

▼アレルゲンや症状が起こるきっかけを除去する・遠ざける

 ホコリ、ダニ、ペットの毛、たばこの煙、大気汚染など、患者によってアレルゲンや悪化要因はさまざまです。また、ウイルス感染症、気圧や気温・湿度の変化なども症状が表れるきっかけになります。自分にとって何が引き金となるのかを把握して除去すること、遠ざけることが肝要です。気候の変化などは避けようがありませんが、悪化要因は多くは一つとは限らないことから、ほかの要因の対策をして全体としてリスクを減らすようにします。増悪が起きたらどう対処するか、あるいは予防的に薬を増やすなど、主治医とよく相談して、増悪が起きてもできる限り軽度にすむよう準備しておきます。

▼薬物療法

 吸入タイプの、炎症を抑える「ステロイド薬」と、狭くなった気管支を広げる「気管支拡張薬」を重症度に合わせて選択します。増悪時に使用するものや、予防的に使うものなどもあり、適切に用いることで、症状をコントロールします。

▼生活習慣の改善で体調管理

 かぜやインフルエンザなどの感染症をしっかり予防することが大切です。過労やストレス、睡眠不足、不規則な生活などを避けて生活を見直し、体調を崩さないようにしましょう。

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症状をコントロールできれば、いつも通り生活を送れる