夫と真紀子さんの両親と出かけた家族旅行=2017年12月、長野

 もう少し疎遠でしたけど、でもだいたい同じくらいのペースで行ったり来たりしていた。どっちかと言うと、私のほうが結婚して、って言ったし、押しかけ女房というか、弱い立場にあるなあって思うんです。でも、嫌なことは嫌って言うようにしている。例えば、映画を女性と2人で観に行かれたら嫌だなと思う。だから、面白い映画をやっているという話が出たときには、「誰と行くの?」って聞いて、「1人だよ」と言われたら、「ならいいけど」みたいな。本当に嫌だもん。

――お気持ちが若いですねえ。

 そうですか。ちょっとねえ、立場が弱いんですよ(笑)。

研究の世界に女性を増やす

――理研の理事になっていかがですか?

 もう都度都度、「女性」って言っています。

――大学にいたときはどうだったんですか?

 私自身は、あまり女性女性っていうふうに思わないできたんです。日本学術会議でジェンダー分科会っていうのがあって、それには入っていましたけど、最初は少しうっとうしいぐらいに思っていた。ホント、申し訳ない。

――研究で手いっぱいだったんですよね。お気持ち、わかります。

 まあ、そういうことですね。でも、私の研究室は女性比率が高い。ある研究者が言っていたんですけど、女性がいっぱいいるところのほうが女性にとっては敷居が低いって。ある意味、当たり前のことです。だから、研究の世界に女性を増やすことが大事だなと思う。とくにPI(研究主宰者)になる女性が増えてほしいと思って、今は口を開けば「女性」って言っています。そればっかりの人だなと思われているかもしれません(笑)。

役員フロアにある自室のデスクに座る仲真紀子さん
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