「コンビニ百里の道をゆく」は、54歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
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最近、「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」という言葉を耳にすることが増えてきましたね。社会においてそれぞれの「違い」を尊重するダイバーシティー(多様性)&インクルージョン(包括と受容)の観点からも、注目されているようです。
私も「自分にもアンコンシャス・バイアスがある」と常に自覚をもつことは、とても大事なことだと考えています。
人はそれぞれの国、環境や文化の中で育つ過程で、さまざまな常識が身についていきます。実際には同じ日本で育ってもまったく違う価値観や常識を身につける人がたくさんいて当然ですが、どうしても「自分が育った環境や文化に基づいた常識」を軸に物事を考えてしまいます。でもそれが一方で、無意識の差別や相手にとっては誤解でしかない決めつけにつながることも多々ありますよね。