──見据える40代の自分とは、どんなイメージか。
時代をちゃんとキャッチして変化できるスキルも持ちながら、イメージ的にはいろんなところをぴょんぴょん跳んでいる感じの人、かな。ある人が見たら「俳優」なんだけど、ある人が見たら「アーティスト」とか「クリエーター」みたいな。自分を見る相手が、僕の職業を決めてくれるっておもしろいなと思います。それこそ、「肩書・北山宏光」じゃないけど、どこにもカテゴライズされないような存在になりたい。歌やライブ、演技、バラエティー、トークとか、みんなが知っている五角形はバランスよく埋めつつも、実は六角形、七角形だったみたいな、「○○なのに、なんでこんなこともできるの?」と思ってもらえる項目の幅は、貪欲に探り続けたいですね。
丁寧に、大切に
──仕事をする上で最も大事にしているものは?という問いには、こう即答した。
それはもう人、人、人!です。
「この人のために何かしてあげたいな」という人っていません? そういう人に僕はなりたい。「また一緒に仕事したいな」「この人と一緒にいたら楽しそう」とか何でもいいけど、そういう関係値を一つでも多く築きたい。そのためには、今まで以上に一つ一つの仕事を丁寧に、大切に向き合ってやっていかなきゃいけないと思っています。
細かい目標はたくさんあります。こんな会場でライブをやりたいとか、芝居もこんな作品に出たいな、舞台もやりたいな~とか。でも、こちらがいくら設定して狙っても、求められないことには始まらないし、達成できない仕事でもある。そういう意味でも、目の前にある一つ一つの仕事を大事に。「また仕事がしたい」と言ってくださる方の先に、いろんな道が繋がっていくのかな、と思っています。
(ライター・大道絵里子)
※AERA 2023年11月27日号より抜粋