11月2日、快晴の空の下、天皇皇后両陛下が主催する秋の園遊会が赤坂御苑(東京・元赤坂)で開催された。今回の女性皇族のドレスコードは洋装。少し色づき始めた秋の景色に色とりどりの装いは鮮やかだった。皇室の装いに詳しい歴史文化学研究者の青木淳子氏が解説する。
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「秋の園遊会で皇族女性が三笠山に一堂に並ばれたお姿は、色とりどり。まるで秋の錦繍(きんしゅう)のようでした」とは歴史文化学研究者の青木淳子氏。赤坂御苑の小高い丘(三笠山)にズラリと並ばれた姿は、全景写真で見ると本当に鮮やかだ。
園遊会の主催は天皇、皇后両陛下だが、さすが、雅子さまは控えめながらも別格の輝きだった。青木淳子氏は雅子さまのこの日の装いをこう解説する。
「雅子さまのスーツは、銀杏(いちょう)の黄色を意識されているのでしょうか、秋の園遊会に季節感あふれる色の選択です。日差しによって黄緑にも見えるこの色は、鶸(ひわ)色といってもいいでしょう。生地は光沢のあるシルクシャンタン。お天気がよかったこの日、陽の光を受け、お姿も一層輝いたのではないでしょうか。
スーツと同色の布が巻かれた帽子。襟元と袖口部分の細やかなブレード(組紐)飾りが、シンプルでありながら、格調高いデザインです」
雅子さまは以前にもお召しになられて
鶸色とは小鳥のヒワ(鶸)の羽の色からつけられた色で、緑がかった黄色だそうだ。気づいた人もいるかもしれないが、秋の園遊会の雅子さまのスーツは、以前にもお召しになられていたものだ。