「隠れた名曲もいっぱいあるんですよ。私のように指揮者や演奏家にこだわらずにまずは曲をいろいろ聴いて“選曲家”として楽しむという方法もあります」

 ちなみに湯山さんが考える「クラシックの曲名思い出せない」問題は、「交響曲第5番など、番号が多すぎです(笑)。クラシック音楽は権威づけや教養量を誇るところがあったので、あえて番号のみのタイトルにして(知識のない人を)振り落とそうとしたのかも(笑)」。

集中したい時のBGM

 ちなみにネットには、仕事や長時間作業に集中するための実用的なBGMとしてクラシック音楽を紹介するサイトも多い。「あなた様の思考を邪魔するなんて滅相もございません」と言わんばかりに静かにメロディーを奏でながら、黙々と作業してちょっと眠くなった頃にいきなりドーン!と大きい音が鳴ってビックリして目が覚めるような曲も。

 一方、クラシック関連サイトには、イントロクイズサイトもけっこうある。いきなりクラシックを聞かされて、どの程度曲名がわかるのか。そこで、社内で残業していたクラシックとは関係なさそうな男女5人を集めて、クラシック音楽イントロクイズ大会を開催してみた。クイズにはつきものの、ピンポン!だのブブー!だの(手動で)鳴らせる機能がついた早押し機は、デスクが自腹で調達。でもこのあとどうすんだ、あれ。

 イントロクイズサイトを参考にしつつ、小中学校の音楽の授業でよく習うという楽曲などを調べ、特製問題も完成した。

 では第1問!

 ……と始まったイントロクイズ大会だが、参加してくれた音楽マニア(クラシック以外)の50代なりたての男性回答者が言うように「何を聞いても、アレだ、アレだ!としか言えない」という悶絶回答者が続出。正解した後は1問休みを入れたりしたのに20問中の7問を正解した50代女性回答者がぶっちぎりの優勝を果たしてしまった。

「実は私、音大の付属小卒なので……」(同女性)

 えー。クラシックの選民思想ってこれのこと?

 ちなみに優勝者が正解したのは、モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、プッチーニの「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」、ワーグナーの楽劇「ワルキューレ」から「ワルキューレの騎行」など。

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