あいにくの雨の中、出迎えの方々に一礼をされる天皇、皇后両陛下。一見、皇室の方々の公務でよくあるシーンだ。そんな雨模様だったからこそ、雅子さまの姿勢の美しさが際立ったという。それは「感動するほど」とマナーのプロが解説する。
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10月7~8日、天皇陛下と雅子さまは特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」への出席のために鹿児島県を訪問された。
「鹿児島市の鴨池港フェリーターミナルに到着し、垂水港に向かうとき、お出迎えの方たちにあいさつをなさいましたが、そのときの姿勢が感動的というくらい美しかったですね」
とは、大手企業のマナーコンサルティングやNHK大河ドラマ、映画などのマナー指導も務めるマナーコンサルタントの西出ひろ子さんだ。なぜ、雅子さまの姿勢はそんなに美しかったのか。西出さんはこう話す。
雅子さまの姿勢が美しいワケ
「礼儀の本質を記した『國民日常大鑑』という明治時代に書かれた本に、お辞儀などの型は、相手に対する敬意を形に表したものと書いてあります。雅子さまはお出ましのときはいつもそうなのですが、自分を素敵に見せたいがためのお辞儀ではなく、やはり相手に対する敬意や感謝が表れていらっしゃいます。
今回、鹿児島市のフェリーターミナルでは、雨の中わざわざお出迎えになっていらっしゃる方々に『ありがとうございます』という気持ちがお辞儀に表れているからこそ、誰が見ても『美しい』と感じるのだと思います」