さらに、相手の素性を、できる限り確認することも重要になる。

 難しい問題ではあるが、石井弁護士は、

「口頭で確認するだけではなく、例えば婚姻の有無は戸籍を確かめる。収入については、就労の証明や確定申告書を提示してもらう。ペットを飼育可能な物件に住んでいるかどうかについては、登記事項証明書や賃貸借契約書を見せてもらうなど、事前の証明をしっかりと確認することが有効だと考えます」

 と話す。

お試し期間は必須

 また、いきなり譲渡せず、お試し期間を設けることも重要だ。

 今回の悲劇はその一時預かり中に起きてしまったが、ペットとの相性や飼う側に適性があるかの判断には、お試し期間は必須と言っても良い。

 その一方で、石井弁護士は、

「あまり証明を求めて譲渡のハードルを高くしすぎると、もらい手が見つかりにくくなりますので、悩ましい問題です」

 とも指摘する。

 課題は少なくないが、悲劇やトラブルのリスクを少しでも減らすため、あいまいな契約は避け、できる限りの証明を求めるなど、手を尽くさなくてはならない。

(AERA dot.編集部・國府田英之)

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