1970年代から東京・浅草に通い、下町に拠る普通の人々の肖像を撮り続けた写真集『PERSONA』(2003年、土門拳賞)ほかで国内外に評価が高い著者のエッセイ。雑誌連載の36編を収めるが、見事な筆遣いだ。 月山の麓で生まれ育ち、長じて写真家を志す。以来、何を、なぜ、どう撮ってきたか。資金稼ぎの職業遍歴、インド往還、そして浅草……。原風景に重なる懐かしさを誘う人、風物との出会いを求めて今に至っ…

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