とはいえ、ある意味、「3Doodler」でモノを創るのは大変だ。15センチ四方程度のドラゴン(写真参照)は、同社の熟練社員が試験的に作成したものだが、4時間程度かかったという。3Dプリンターと違い、「思った通りにならない」点も多い。わずかな手先のブレが出来栄えに大きく影響する。ドラゴンを作成した社員も思った通りにいかず、軌道修正を繰り返したという。
「それだけに、2つとして同じ物は生まれません。3Dプリンターならば同じものをたくさん作ることができますが、3Doodlerではそうはいかないし、時間もかかる。でも、そこにモノづくりの楽しさがあるのだと思います」(同)
「3Doodler」はすでに世界で13万台を販売している。日本国内では、昨年1年間で約5000台、この新型ではまず1万台を目標にするという。例えば、プラモデルの改造やジオラマ製作でも、「3Doodler」の出番はありそうだ。ゼロから立体物を作るだけではなく、スマートフォンケースの装飾などにも使っているユーザーがいるそうだ。
便利グッズが世の中にあふれている今、「3Doodler」は決して便利ではない。だが、創造性をかきたてる商品と言えるだろう。
(ライター・里田実彦)