岸田政権の支持率が報道各社で最低記録を記録している。物価高などで厳しい生活を強いながら、増税への道筋をつけていく岸田文雄首相に対し、SNSでは「増税クソメガネ」などと不満が噴出し、消費税の減税を求める声も多い。しかし、元内閣官房参与で京都大の藤井聡教授は「絶対に消費減税はしない」と断言する。岸田首相の消費税率アップに向けたシナリオを聞いた。
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ここ最近の報道各社の世論調査で、内閣支持率は軒並み下落した。
共同通信は前月からマイナス7.2ポイントの32.3%、朝日新聞はマイナス8ポイントの29%、読売新聞でもマイナス1ポイントの34%で、いずれも岸田政権発足以来、過去最低を更新した。
様々な要因はあるにせよ、国民の負担が増すことについて有効な対策を打てていないことが、支持率下落の原因の一つであることはたしかだろう。
経済界は「消費増税の検討を」
一方、そんな国民の思いとは逆に、経済界からは消費増税を求める声が相次いでいる。
経団連が9月に発表した2024年度の税制改正に関する提言では、社会保障制度の維持のために消費税の増税が「有力な選択肢の一つ」と主張している。関西経済連合会が出した提言でも、基礎的財政収支(プライマリー・バランス)が黒字化しない場合は消費税引き上げに向けた検討をするべきだと提言した。
なぜ経済界は消費増税を訴えるのか。