学生たちのあいだで「配属ガチャ」という言葉が話題だ。総合職で採用された場合、どこに配属されるかわからないため不安の声も少なくない。企業側は対策に乗り出している。AERA 2023年10月23日号より。
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企業側も、学生に選ばれるためにアピールに力を入れている。今年、各社の初任給引き上げラッシュがあった。ファーストリテイリングは、初任給25万5千円から4万5千円引き上げ、30万円に。マイナビキャリアリサーチラボ・主任研究員の東郷こずえさんは言う。
「コロナ禍を経験して、社会全体で、ワークとライフが密接になりましたし、共働き志向が強くなっていますので、福利厚生を重要視する人が増えています」
そんななか、就活生たちのあいだで話題となっているのが「配属ガチャ」という言葉だ。総合職で採用された後、原則、どこに配属されても受け入れるものだというのが日本企業で多く見られるメンバーシップ型雇用の考え方だ。だが、マイナビが今年、学生に「入社後の配属先に対する考え方」を尋ねたところ、「勤務地、職種ともに自分で適性を判断して選びたい」が半数を超えた。
そんな声を受け、企業も対策をしている。マイナビの調査によると、何らかの職種別コースを設定している企業は6割超に及ぶという。
「ジョブ型雇用」の拡大
さらに、入社時に職種別に配属されることに留まらず、いま注目されているのは、ジョブ(仕事)をベースにキャリアを積むことができる「ジョブ型雇用」だ。
富士通は昨年からジョブ型雇用を全社員に拡大した。人材採用センターの大平将一さんは言う。