
ジャニーズ事務所は10月2日、都内で2度目の記者会見を開いた。会見後の4日、特定記者を指名しない「NGリスト」の存在が明らかになった。企業統治の専門家は「東山紀之氏が社長ではガバナンスは利かない」と指摘する。AERA 2023年10月16日号より。
* * *
会見で繰り返し強調されたのが、過去との決別だった。会見を欠席した藤島ジュリー景子氏は、
「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切なくしたい」
と手紙で心境を寄せた。
だが、企業統治(ガバナンス)に詳しい青山学院大学の八田進二名誉教授は、補償に専念する会社とタレント事業を営む会社を分割した点は評価した上で、今後の対応に関しては「組織防衛が働いている」と疑問を呈する。
「ガバナンスで最も重要なのは、社長に誰を選ぶかです。今後、東山紀之氏が新旧会社のトップを兼ねるようですが、これではジャニーズありきでの改革にすぎません。全くのまやかしであり、解体的出直しの意味がわかってない」
解体的出直しとは、それまでの関係や体質とはすべて縁を切り、一線を画すること。しかし東山氏はジャニーズ事務所の人間であり、ジャニーズファミリーの一員。しかも東山氏は、ジャニー氏の「秘蔵っ子」とされた。そんな人物が新会社を設立し「僕たちがやります」と言っても、スポンサーや多くの人は、ジャニーズが生まれ変わったと納得しないだろうという。