左の代打の切り札でもあった高橋と内野の複数のポジションをこなしていた井端弘和がともに引退した“新生巨人”にとって、一人でこれらの穴をカバーできる脇谷はチームの補強ポイントとも一致していた。

「入団するのであれば、監督を胴上げできるくらい死に物狂いで頑張ります」と誓う脇谷に、高橋監督も「当たり前だ」と返してきた。

 復帰1年目の16年、34歳の脇谷は打率1割台ながら、8月23日の広島戦で0対0の延長10回に本人も「奇跡!」と評したプロ初のサヨナラ本塁打を放つなど、ここ一番での勝負強さは健在だった。

 18年オフ、退任した高橋監督とともにユニホームを脱いだ脇谷は、引退会見でプロでの13年間を「いい野球人生だった」と語っている。(文・久保田龍雄)

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