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新ギア雲台は新しい操作感の小型モデル

 3ウェー雲台のパン棒による操作の代わりに、ダイヤルを回転させて微妙な調整が可能なのがギア雲台だ。
 マンフロットのギア雲台には、主にスタジオでの使用が想定され大判カメラも余裕な耐荷重10kgのギア付き雲台400、同7.5kgのギア付きプロ雲台405、小型・軽量で一眼レフでの使用に向く耐荷重5kgのギア付きジュニア雲台410の3種がラインアップされている。
 今回紹介するXPROギア雲台は、大きさからするとギア付きジュニア雲台の新型もしくは後継といえなくもないが、追加ラインアップという位置づけだ。むしろ、既存のギア付きジュニア雲台410に対して「おまえは間違っている! こっちが正解だろうがよ!」と、小型カメラ用のギア付き雲台のあり方に異議を唱えているかのような雰囲気が随所に感じられる。
 まずは軽量化。アルミニウムではなく、独自開発ポリマー素材のADAPTOを本体に使うことで軽量化が図られているが、耐荷重は4kgを確保している。何よりも異なるのが操作性だ。ギア雲台の操作は、ギアをかみ合わせて細かく動かすか、かみ合わせを解除して大きく動かすかの二つに分けられる。
 ギア付きプロ雲台やジュニア雲台は、ノブをひねることで、かみ合わせを解除していたのに対して、XPROギア雲台ではレバーを握るようにする。力を入れやすく、そのまま角度を変えるための動作にもなり、なかなか合理的で具合がいい。
 操作性全体としてよりスムーズになったが、ギアのかみ合う角度でしか合わせられないということにも気づかされる。これが性に合わないという人には、この雲台は決定的に向かない。また、小型化のせいか、長めの望遠レンズを組み合わせるとカッチリ感が欲しくなる。

大判カメラのピントグラスを見るように、液晶を見ながらの微動操作は「XPROギア雲台が正解である」と断言したくなる使い心地。回して細かく、握って大きく動かすという使い心地が受け入れられれば買いだ
大判カメラのピントグラスを見るように、液晶を見ながらの微動操作は「XPROギア雲台が正解である」と断言したくなる使い心地。回して細かく、握って大きく動かすという使い心地が受け入れられれば買いだ


 ギア動作の滑らかさはジュニア雲台のほうが上かな?というのも素直な感想だが、トータルではこのXPROギア雲台の新しさは大成功だと思える。特に液晶モニターを見ながらの操作となるミラーレス機なら、特に「XPROギア雲台が正解なんだな」と感じることだろう。

◆まつうらやすし


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●アタッチメント:3/8インチ・メス●ハンドル1回転ごとの回転角:9.5°●パン回転角度:360°●フロントティルト:−20°~+90°●横ティルト:−90°~+30°●使用高:13cm●耐荷重:4kg●重さ:0.75kg●価格:3万2400円(実売 税込み2万5910円)