福島県のある消防組合の調査で、サウナを利用して救急搬送された人の半数以上に持病があることがわかった。入院が必要になったケースもあるという。サウナの健康への効果について完全否定する医師は、「こうした危険な事例は氷山の一角」と厳しい見方を示す。
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空前のサウナブーム。サウナ→水風呂→休憩で「ととのう」、いわゆる「サ活」にハマる人が続出しているが、その一方で、体調不良を起こし救急搬送されるケースも少なくない。今年6月には、栃木・日光の屋外サウナ施設で、サウナ後、冷水浴のために池に飛び込んだ20代の男性が死亡した。
この事故をきっかけに、サウナの搬送事例の調査をしたのは福島県の郡山地方広域消防組合。サウナに特化した調査は全国的にも珍しいという。
同組合によると、管轄する4市町では2022年までの10年間で101人がサウナ利用中に救急搬送され、このうち半数を超える56人に高血圧などの持病があった。
搬送理由は「失神や意識障害」が最多の30人。サウナ内で倒れたり、水風呂で溺れたりする危険な状態だ。続いて「熱中症や脱水症」が24人。脳梗塞などの脳疾患もあった。入院が必要な重症事例もあったという。年齢別では70代が36人、60代が26人、50代が11人と高齢者の搬送事例が目立った。