物価高騰は子どもの給食にも影響を及ぼしている。画像はイメージ(GettyImages)

 全国で給食調理業務を請け負ってきた「ホーユー」が夏休み明けに突然、給食の提供を停止した問題では、学校関係者や保護者から怒りや不安の声が上がった。『学校給食 食育の期待と食のはざまで』(岩波書店)の著者で、「学校給食ニュース」の編集責任者でもある牧下圭貴(けいき)さんは「学校給食を『たかが子どもの昼飯』ととらえる自治体や地方議会が多い。それがこの問題の根底にある」と指摘する。

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 ホーユーは小中学校の給食から高校、大学の学生食堂まで幅広くサービスを提供していたが、今回の給食停止によって最も大きな影響を受けたのは、障害のある児童生徒が通う特別支援学校だろう。

 牧下さんは言う。

「特別支援学校の給食を作るのはものすごく手間がかかるんです。例えば、よくかめない子どもがいるので、食材を適切な大きさに切らなければならないとか、管理食を作る必要があるとか。それができる人材をかなり多く投入しなければならない。そんな給食が1日でも止まってしまうと、非常に困った事態となる」

 ホーユーは多くの人員を必要とする特別支援学校の給食を委託している比率が同業者よりも高かった。人件費が高騰するなか、「事業者としては結構大変だったのでしょう」と牧下さんは推察する。

 帝国データバンクによると、ホーユーは、同業者との競合による受注価格の低下、コロナ禍で受託先の学校や官公庁などの食堂運営が休止、食材費や人件費の高止まりなどが原因となり収益が圧迫され、今回の事態に陥ったという。負債は、2022年11月期末時点で約16億7000万円。

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給食調理委託は「デフレ」だから成り立つ