経済アナリストの森永卓郎さん

 それから総裁選を見据えて、茂木さんを筆頭にライバルとなりそうな人たちを取り込んでいます。彼らが来年秋に控える総裁選に出てこないように抑え込んだのだと思います。また、おそらく次々回の総裁選も睨んでいるのではないでしょうか。小渕(優子)さんを選挙対策委員長に付けることで茂木派内に争いを起こして、茂木さんが次々回の総裁選にまで出てこられないように画策したのだろうなと思います。

――今回の改造はズバリ何点?

 30点。いま日本の景気の悪さは危機的状況を迎えています。総務省の発表する家計調査によると、7月の実質家計消費が5%も落ち込んでいますし、国民は物価高に苦しんでいます。そのような状況にもかかわらず、岸田首相は国民の生活を全く無視して、政権の延命しか考えていません。評価できるポイントが一つもないです。ここまでひどいのはこれまでなかったのではないでしょうか。これでは改造による支持率増加も見込めないと思います。

――女性閣僚が5人になり、これは過去最多タイです。

 それをやっておかないと、延命の意図が見え見えになってしまって取り繕えないからだと思います。

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続く緊縮財政路線