吉田陽菜
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 世界トップクラスのスケーターを数多く輩出してきた日本女子から、今季も若き才能がシニアデビューする。

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 18歳の吉田陽菜は、昨季は国内ではシニア、海外ではジュニアのカテゴリーで戦った。トリプルアクセルを武器に、昨季はジュニアGPで2連勝、ファイナルに進出した。全日本選手権でも6位に入って四大陸選手権代表に選ばれ、シニアのISU(国際スケート連盟)チャンピオンシップを経験している。

 国際大会にもシニアとして臨む今季の本格的な開幕を前に、吉田は好調なスタートを切った。8月に行われた二つの地方競技会、木下トロフィーとげんさんサマーカップの両方で優勝、げんさんサマーカップのフリーでは加点がつく出来栄えでトリプルアクセルを成功させている。9月に入ってからはイタリアで行われたロンバルディア杯に出場し、2位に入った。

 吉田が所属する木下アカデミーでは、世界ジュニア女王・島田麻央をはじめとする優れた10代のスケーター達が切磋琢磨している。日々の練習から良い刺激を受けていることが、吉田の成長を促していることは間違いないだろう。

 今季の吉田は、ショート『Koo Koo Fun 』(ケイトリン・ウィーバー氏振付)では軽快な滑りを披露し、フリー『Shakuhachi /La Terre Vue Du Ciel 』(ローリー・ニコル氏振付)では繊細な動きで鶴を表現する。げんさんサマーカップで金メダルをかけてテレビ局の取材に応じた吉田は、意気込みを語っている。

「もちろん、ショートとフリーでトリプルアクセルをしっかり決めていきたいのですが、今シーズンからGPシリーズに参戦するので、しっかりそこでシーズンベストを残せるように、一つひとつの試合を全力で頑張りたいです」

 吉田は、GPシリーズ第1戦・スケートアメリカと第4戦・中国杯に出場する。

 18歳の千葉百音はよく伸びるスケーティングと品のある所作が魅力で、正統派と呼びたくなるスケーターだ。千葉は昨季、ジュニアGPシリーズのデビュー戦となる第5戦・ポーランド大会で銀メダルを獲得している。国内大会では全日本ジュニア選手権で2位、全日本選手権で5位に入り、四大陸選手権代表に選出された。そして四大陸選手権ではショート7位からフリーで巻き返して銅メダルを獲得。初めて出場するISUチャンピオンシップで、表彰台に上がった。

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