日本各地で最高気温35度以上の猛暑日が続いた今夏。地球温暖化がもたらした異常気象社会をどう生きればいいのか。AERA 2023年9月11日号より。
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地球温暖化がもたらすものに切迫した危機感を持つ人がいる。東京都内の小学校教員、小林悠さん(33)は7月、テレビ各局に対し「この暑さや水害は気象災害です。気候変動の原因と解決策を報道してください!」と訴えるオンライン署名を募った。
「今年は4月からもう暑かったですよね。でも天気予報では『初夏のような暑さです』などと笑顔で伝えるだけで、暑さや豪雨を地球温暖化にリンクさせず報道がなされていることに危うさを感じ、違和感を持ちました。海外のニュースだと、猛暑や火災、水害が起きた時に『これは明らかな気候変動です』ときちんと指摘しているのに。もう微笑んでいる暇などないはずなのにと、焦りを感じたのがきっかけです」
2019年の豪雨災害で気候変動に関心を持ったものの、最初は「私一人が何かやっても」という思いがあったという。
「でも教員として子どもたちと日々接する中で、このままで未来を守れるのかと罪悪感にかられ、葛藤する中で、『私は人とつながって、社会的な活動を始めるんだ』と決めたんです」