じりじりと照りつける日差しから身を守るため、日傘が手放せなくなった。男性も日傘を差す抵抗感はなくなりつつある(撮影/写真映像部・上田泰世)
この記事の写真をすべて見る

災害級」と言われる暑さが続いた今夏。日傘を手に取る男性が増えた。男性用日傘が夏場のニューノーマルとして定着しつつあるようだ。AERA 2023年9月11日号より。

*  *  *

 連日のように熱中症警戒アラートが発令され、不要不急の外出防止が呼び掛けられた今夏。これはたまらん、と悲鳴を上げたビジネスパーソンも少なくないだろう。筆者も7月中旬から暑さで体調を崩し、可能な限り在宅勤務で対応するのに加え、早朝の時間帯に仕事を集中させることで何とか乗り切ってきた。

 これだけ暑いと、男性も日傘を使わずにはいられない。男性用日傘が夏場のニューノーマルとして定着しつつあることは、大手量販店の動向や売れ行きから顕著に浮かぶ。

 イオンが毎年5~7月に全国の店舗で展開している傘の販売フェア。今年から「男性用日傘」のコーナーを新設し、アイテム数も昨年の2.6倍の40種類に拡大した。その理由についてイオンリテール雑貨商品部の担当者はこう説明する。

「昨年夏に男性用日傘の売り上げが前年比約3倍に伸びたことに加え、男性の美容意識の高まりから、外出時の暑さ対策、紫外線対策として男性用日傘の需要が大いに見込めると考え、コーナー展開に踏み切りました」

著者プロフィールを見る
渡辺豪

渡辺豪

ニュース週刊誌『AERA』記者。毎日新聞、沖縄タイムス記者を経てフリー。著書に『「アメとムチ」の構図~普天間移設の内幕~』(第14回平和・協同ジャーナリスト基金奨励賞)、『波よ鎮まれ~尖閣への視座~』(第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞)など。毎日新聞で「沖縄論壇時評」を連載中(2017年~)。沖縄論考サイトOKIRON/オキロンのコア・エディター。沖縄以外のことも幅広く取材・執筆します。

渡辺豪の記事一覧はこちら
次のページ