最初はアップフロントガールズ(仮)という6人組で
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最初はアップフロントガールズ(仮)という6人組で
二丁ハロが乱入
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二丁ハロが乱入
7人そろって初のオープニング
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7人そろって初のオープニング
二丁ハロとのステージ
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二丁ハロとのステージ
二丁ハロとのステージ
二丁ハロとのステージ

 数々のアイドル番組を手掛ける敏腕ディレクターへのインタビューも後半戦に突入だ。普段、どんな音楽を聴いているのか? お気に入りのアイドル・ソングは何か? iPadのリストも見せてもらった。

――「大日本プロレス ケンドー・ナガサキのバーリ・トゥードin商店街!」以外で、これは外せないという作品は?

桂 映画の「コミック雑誌なんかいらない」が好きですね。(主演の)内田裕也さんがすごくいいんですよ。いままでいろんな人を取材してきましたけど、1回急に裕也さんにインタビューしたことがあって、その時は汗が止まらなかったですね。一番好きな俳優は原田芳雄さんですが、一度もお会いする機会がなかった。残念です。

――少年の頃、好きだった音楽は?

桂 アイドル関連だと斉藤由貴さんの《夢の中へ》が好きでしたね。いい曲だなと思って。当時、井上陽水さんがオリジナルだということを知らなかった。リアルタイムで斉藤さんのファンというわけではなかったんですが、忘れられなくて、後で中古のアナログ盤を買いました。

――アナログ盤、お好きなんですか?

桂 同じものがアナログとCDで出ていたらアナログを買っちゃいますね。南野陽子さんのレコードも集めていますよ。顔が好きなんですよ、だからジャケット買いですね。今もルックスが殆ど変わっていないのはすごいと思います。あとは最近知人に教えてもらった小泉今日子さんの《Fade Out》。すごくかっこよかったですね。1989年の作品とは思えない斬新な感じで、(作曲の)「近田春夫さん、すごいな」と思いました。最近出たアナログものではtofubeatsの《Don't Stop The Music》がいいですね。曲自体は2013年のものですけど。トーフさんは、つくばテレビの視聴者でもあったんですよ。僕が作った究極のゆるゆる番組「橘ゆりかのホリデーライフ/チャレンジライフ」を気に入ってくれていたのは嬉しかったです。共通の知り合いも多くて、うちの主宰するイベントでDJをお願いしたこともあります。トーフさんの曲では、9nineに書いた《CANDY》も素晴らしい。小西(康陽)さんの作る曲や、PandaBoYさんの曲も好きですね。今日は、自分が好きなアイドル曲をiPadに入れてきました。

――リスト、見せていただけますか? ロバート・ワイアット、トータス、ジム・オルーク等に混じって、Tomato n' Pineの《キャプテンは君だ!》、AKB48チームBの《ワッショイB!》、ベイビーレイズの《TIGER SOUL》……嬉しくなるセレクションですね。さくら学院バトン部Twinklestarsも入っている。

桂 Twinklestarsはシンバルズの方(沖井礼二)が曲を書いているんですよね。好きなんですよ、バトン部。もっと活躍してほしいと思います。《ワッショイB!》は、子供の頃に聴いたおニャン子クラブの《会員番号の歌》に通じるものを感じますね。

――チームBは素晴らしかったです。まゆゆ(渡辺麻友)、ゆきりん(柏木由紀)を近くで見たくて、遠征したこともあります。

桂  しかも当時のチームBは指原(莉乃)もいたでしょう。渡辺、柏木、指原はトークが本当にうまいんです。人気が出るのもわかりますよ。SKE48では谷真理佳さんのしゃべりが抜群です。AKB48本体の曲では、本当に初期の《毒リンゴを食べさせて》がベストですね。一番最初の公演の曲だったかな、2005年頃です。

――星野みちるさんがいた。

桂 いましたね。

――星野みちるさんは独立してから、さらにいい曲を歌い続けていますね。AKBの音楽面での最大の貢献は、星野さんを輩出したことなんじゃないかと思うくらいですよ。

桂 SKE48では、ダントツで《1!2!3!4! ヨロシク!》ですね。PVもいいし、途中のセリフも面白いのに、どうしてリクエストアワー上位に入らないのかなあ。謎すぎますよ。

――今、才能のあるクリエイターがどんどんアイドルの楽曲に携わっているでしょう。アイドルの音楽に聴きごたえがあって、見ごたえがあるのも納得できます。

桂 アプガのEDM路線もすごくいいと思うし、チームしゃちほこのアシッド・ハウス感にも驚いた。新しい音が、どんどんアイドルの歌に入ってくるのは本当に刺激的です。

――アプガといえば、番組「アップアップガールズ(仮)」が始まったのは2011年4月です。最初はアップフロントガールズ(仮)という6人組でした。

桂 初収録は3月5日でした。11日に震災があったので、今後も続けられるのか不安でした。

――メンバーの第一印象は?

桂 最初は、こんな言い方するとアレですけど、ぜんぜんだめでしたね。仙石さんは頼りなくて自信がなくて、新井さんはKYで、佐藤さんはネガティヴで。古川さんは「私が仕切ろう」という感じで張り切っていたけど、空回りしていました。でも、僕は前から「未来が見える子の番組をやりたいな」と思っていたし、彼女たちの所属事務所が今までにないアイドル・グループとして(アプガを)作ったというので、じっくり取り組んでいこうとは思いました。

――そこに、さらなる刺激として「二丁ハロ」が呼ばれて。

桂 番組「アップアップガールズ(仮)」は、「他のアイドルにできないことをする」というコンセプトだったんです。それで「アイドルが新宿二丁目の人と会ったらどうなるか」というアイデアを提案したら、(現・AKIBAカルチャーズ劇場の)鈴木支配人から「すごいハロプロヲタが二丁目にいる」ということを聞いて、収録に来てもらって。そのときはまだ「二丁ハロ」という名前も決まってなかったはずですよ。

 その3カ月後にアプガがTFMホールで定期ライヴをやることになったときにも、「二丁ハロ」は来てくれました。「アイドルとゲイのダンス対決」というプランを快く引き受けてくれて、「じゃあこれを私たちの最後の思い出に」ということで踊ってくれたんです。本当に最後のつもりだったらしいですが、やっぱりステージは気分がいいということで今も活動を続けています。

――「二丁ハロ」、いまでは大の人気者です。メジャーなアイドル・イベントにも数多く出演しています。そのきっかけをつくったのがアプガであり、桂さんだったわけですね。

桂 ひょっとしたら一部のハロヲタの人たちの間では知られていたかもしれないけど、今ほどの知名度は全くなかったと思います。「二丁ハロ」の皆さんが、(番組を)「私たちの原点です」と言ってくれるのは嬉しいですね。[次回5/25(月)更新予定]

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