ごちゃごちゃしたダイニングとリビングスペース/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

【感動のアフター】物置きスペースが子ども部屋に生まれ変わった。子どもたちも大喜び!

case.50  「やること」だけじゃなく、「やらないこと」も決める

夫+子ども2人/会社員 兼 自営業

「私、なんでもやりたいって思って、始めてしまうんです。スケジュールも詰め込むタイプで、育休中に時間があるときは友だちとのランチとかお茶の予定をいっぱい入れていました」

 こう話してくれるゆかりさんは、フルタイムで会社員をしながら平日の夜や週末に自営業もしている、とてもパワフルな女性。さらに4歳と1歳の子どものママとして、育児もこなします。

 そして、なんでも完璧にやりたがる“完璧主義者”でもあるというゆかりさん。予定を詰め込んだり、完璧主義者だったり、実はこれは片づけられない人の特徴でもあるのです。

「子どもの頃から片づけは嫌いでした。私の部屋が散らかると、母親が私のいない間に紙袋にバーッと詰め込むので、どこに何があるのかわからなくなり、嫌な思いをしていました。今思うと、結局は母親も片づけができなかった。とりあえず目の前からなくすことだけされて、片づけ方は教わっていなかったんです。」

 それでも、片づける時間を集中的にとってやる気を出せばきれいにできたので、特に困ってはいなかったそう。

 その状況が、結婚して第2子が生まれてから変わり始めます。

「第1子まではなんとかできていましたが、子どもがもう1人増えたらモノの量も増えるし、家事も増える。今まできたことができなくなってきました」

 夫は部屋が散らかっていても、生活リズムが乱れても、特に気にする様子はありません。生活を整えたいと思いつつも仕事と家事と育児で手一杯のゆかりさんは、1人でモヤモヤする毎日。夫はゆかりさんがお願いすることだけはやってくれますが、家族のキャパは超えていました。

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「安いからとりあえず」