多目的スペースとして物置きのようになっていた部屋/ビフォー

 ゆかりさんの変化は、これからの働き方を考えるきっかけにもなりました。会社員と自営業の2つを6年以上兼業してきましたが、家族の時間を優先するために少しセーブすることを検討していると言います。今まで気持ちの思うままにやりたいことを詰め込んできましたが、やらないことを決めたことで生まれる余裕を楽しめるようになりました。

「育休明けで会社員を復職したら、向いている仕事や役割を任され、かなり楽しいんです。自営業の方も楽しいし、全部自分がやりたいことだからとやってきましたが、ちょっとキャパオーバーでした。すべて思うようにやりきれないストレスを抱え、家庭に不和が産まれるなら本末転倒ですよね。何が優先かでいうと今は会社員の仕事と家庭かなと。」

子ども部屋に変わって子どもたちも大喜び/アフター

 片づけのとき、モノの「いる・いらない」は、今の自分に必要かどうかを考えて判断します。それはモノだけに限らず、生活や仕事でも同じような基準があてはめられます。きっとゆかりさんはこれからも自分のよいタイミングでよい選択ができることでしょう。

 単にやりたいことと、今本当にやらなければいけないこと。その区別がつくようになったのですから。

「問題があって、どうにかしたいと思ったら、一歩踏み出すしかないですよね。片づけも、やり始めたらけっこう楽しかったです。やりきった達成感もありましたね」

 45日間の家庭力アッププロジェクト®を走り切ったゆかりさんは、充実した笑顔を見せてくれました。

●西崎彩智(にしざき・さち)/1967年生まれ。お片づけ習慣化コンサルタント、Homeport 代表取締役。片づけ・自分の人生・家族間コミュニケーションを軸に、ママたちが自分らしくご機嫌な毎日を送るための「家庭力アッププロジェクト?」や、子どもたちが片づけを通して”生きる力”を養える「親子deお片づけ」を主宰。NHKカルチャー講師。「片づけを教育に」と学校、塾等で講演・授業を展開中。テレビ、ラジオ出演ほか、メディア掲載多数。
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