日本大学アメリカンフットボール部員が大麻と覚醒剤の所持容疑で逮捕された事件は、大学関係者に大きな衝撃を与えた。
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大学はこの事件を徹底的に調査して全容を解明していただきたい。隠しごとをせず、すべてをつまびらかにすることが、大学への信頼回復の第一歩となる。そのうえで学生が薬物犯罪に手を染めないよう、十分な防止策、啓蒙活動を行ってほしい。
薬物事件発覚後、つらい思いをしている日大生がいた。
2018年のアメリカンフットボール部の危険タックル、2021年の田中英寿理事長(当時)の脱税容疑での逮捕に続いて「またか」とやり切れなさを感じたという。
とくに就職活動中の日大生のなかには、採用面で不利にならないか、不安を募らせる者もいる。日大はまた社会から冷たい目で見られてしまう。企業から大学への評価は厳しいものにならないか、と。
そんなことはあるのだろうか。
その大学の関係者(学生、教員、事務職員、経営者、OB・OG)が不祥事を起こしたところで、企業の人事採用担当者がその大学の就活生を色眼鏡で見ることはあり得ない。企業は優秀な学生を採用したいから。就活でその大学の学生が不利益を受けるようなことが起こったら、学生は「こちらから願い下げだ」と言っていい。そんな企業には社会性などまるでないからだ。
日大の学生はどうか安心して就職活動を続けてほしい。
大学も学生たちを応援している。
日大は学生などに向けてこんなメッセージを発信している。
「本学の学生、生徒、保護者や卒業生の方々をはじめ、関係者の皆様に、多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますこと、あらためて心よりお詫び申し上げます。就職活動をされている学生の皆様には、不利益が生じないように教職員が一丸となって全力でサポートできる体制を構築して参ります。 令和5年8月8日 日本大学」(日大ウェブサイト23年8月8日)。
日大の「全力でサポートできる体制を構築」するという言葉を信じていいのではないか。