たとえば、ほかの人気番組の企画をほとんどそのまま真似したりすることだ。また、人気のあるアイドルや俳優を起用したり、過去に数字を取った企画を何度も繰り返したり、グルメ情報などの実用的な情報を織り込んだりすることもそれにあたる。保険がかかった番組作りをすると、大きな失敗をする可能性が低くなる。
しかし、『水曜日のダウンタウン』は恐ろしいほど保険をかけていない。定番企画を短いスパンで繰り返すこともほとんどなく、毎週毎週新しい企画を見せている。
しかも、企画の切り口やVTRの展開に工夫があり、視聴者は毎回新鮮な気持ちで番組を楽しむことができる。
番組の基本的な構成はシンプルである。スタジオにいるダウンタウンとゲスト陣の前で、プレゼンターの芸人が独自の「説」を紹介して、その検証VTRを見せていく。
説という枠組みは決まっているが、どういう結果になるのかは最後までわからない。番組が提唱する仮説がそのまま立証されることもあれば、されないこともある。また、どちらでもない意外な展開を迎える場合もある。説の内容自体が興味深い上に、どういう結果になるのか全く読めないのが面白い。
この番組は「過激だ」「攻めている」などと言われることもあるが、個人的にはそこは本質的なことではないと思う。スタッフが純粋に未知なる面白さを追求していった結果、たまたまそういう仕上がりになることがあるだけだ。