ただ、これらの作品を令和の世に振り返ってみると、「そんなに『結婚』というものに執着しなくてもいいのでは?」と、ふと疑問が生じてしまう。少なくとも00年代の初めまではドラマにおいて「結婚=ハッピーエンド」という考えがほぼ多数を占めていたのだろう。ましてやそれ以前の時代なら「結婚」がさらに絶対的な価値として認められていたことが想像できる。

20年で約4割も減った婚姻件数との関連

 しかし、かつてはその名もズバリの「契約結婚」(フジテレビ系、05年)という雛形あきこ主演の昼ドラも存在し、ドラマにとって「契約結婚」は決して新しいテーマではない。

 では、なぜ最近になってドラマで契約結婚がクローズアップされるようになったのか。

 実社会に目を向けると、婚姻件数の減少傾向が続いている。00年に1年間で約80万組だった婚姻件数は、20年には約50万組と大幅に減っている。一方で、「事実婚」や「通い婚」など、必ずしも婚姻届を出さない、一緒に暮らさないカップルが増えてきている。もはや「結婚すればすべてうまくいく」という価値観は、現代社会において時代遅れと言ってもよいだろう。時代や社会を映し出す鏡であるテレビドラマにおいても、そこで描かれる男女の関係がアップデートされ、多様化、細分化されてきていることは間違いない。

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結婚はゴールでもステータスでもない