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独自画質の単焦点機の中望遠モデル
1年前にシリーズとしての開発発表は済んでおり、言わばお約束の登場なことに加え、まさかの4兄弟!というdp0クアトロ(14mmF4レンズ機)の開発発表があったことで、2月に開催されたCP+2015のシグマブースでの主役の立場を少々食われた感も否めないdp3クアトロが発売される。撮像素子の実力は先行する2機種で、また50mmレンズの解像力はDP3メリルでも想像でき、正直なところ新鮮味は確かに欠けるが、別売テレコンバーターが用意され、1台でレンズ2本分の焦点距離を楽しめるスタイルにしたのは初めてのこと。
機能面での追加や変更点を挙げると、アスペクト比7:6設定の追加、アスペクト比3:2時以外の際のフレーム表示を黒か半透明か選べるようになり、JPEG画像サイズにS−LOを追加、インターバルタイマー最短間隔の変更、AFリミットモードのポートレートおよび風景・スナップで撮影距離範囲を変更、そして直接撮影には関係ないがExifに撮影者と著作権情報を付加可能にしている。
なお、これらの機能はdp1/2クアトロでも対応ファームウェアが公開されており、3機種の撮影機能の差はdp1クアトロにのみレンズによるフリンジの除去が搭載されているくらいである。
専用コンバージョンレンズ使用で1.2倍の焦点距離に
ポートレートなどにも使いやすい50mm(35mm判換算で約75mm相当の画角)は、もともと近接撮影も得意だが、別売のLCDビューファインダーを使えばピント確認も正確に行え、手ブレ軽減も期待できる。フォビオンX3センサーの圧倒的な解像感と、シャープでキレのよい描写が自慢のレンズのコンビはネイチャー系マクロ撮影でも大いに活躍しそうだ。ただし、テレコン装着時は最短撮影距離が少し伸びて最大撮影倍率も下がる。むしろ、近接撮影よりももう一歩の寄りが物理的にきかない中距離以遠での撮影時にプラス10mmの焦点距離が威力を発揮する。
背面液晶をファインダーにする!
LCDビューファインダー LVF-01
液晶モニター像を2.5倍に拡大し、晴天屋外でも構図やピント確認を難なくこなせるLCDビューファインダーは、標準価格3万7千円とやや高価だが一度使うと手放せなくなる便利アイテムだ。ベース部をカメラ底部に装着しておくことで、ファインダー部分はスライド操作で簡単に着脱可能。接眼部はマイナス2.0~プラス1.0 dptの範囲で視度補正できる。
欠点はベース部がわずかにレンズ側にでっぱり、dp3クアトロにつけた場合、エクステンションフードセットの状態で逆づけ不可なこと。また接眼部用の金属製のキャップが撮影時にひもでぶらさがっているのはかなり邪魔。フードのどこかに留めておけるように、キャップホルダーがあればよかった。
◆宇佐見 健
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●レンズ:50mmF2.8(35mm判換算約75mm相当)。8群10枚。最短撮影距離:22.6cm●露出補正:±3EV(1/3ステップ)●シャッター:1/2000~30秒(最高シャッター速度は、絞りによって変化)●撮像素子:23.5×15.7mmFoveon X3 ダイレクトイメージセンサー(CMOS)。総画素数:約3300万画素●有効画素数:約2900万画素(5424×3616×1層・2712×1808×2層)●撮像感度:オート、ISO100~6400●液晶モニター:3.0型TFT、約92万ドット●記録媒体:SDメモリーカード(SDHC/SDXC対応)●大きさ・重さ:161.4×67×101.8mm・465g(本体のみ)●価格:オープン(実売10万9620円)