バブル後の高値を更新してきた日経平均だが、足元はもみ合いが続く

 春先から上昇を続けてきた日経平均株価は、7月にバブル崩壊後の高値をつけて以降、一進一退を繰り返している。もみ合いの展開を抜け出すには何が必要か。株式市場の専門家に聞いた。

【表】専門家が注目する高配当銘柄はこれだ

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「日経平均はどちらかというと上昇しやすい局面にあるとは思いますが、秋までは上値を押さえられた展開が続くでしょう。しかし、その後は再び高値をめざす展開になる」と予想する。

 窪田さんがいま注目するのは、物価動向と中央銀行の金融政策だ。とくに日本株に大きな影響をおよぼす米連邦準備制度理事会(FRB)の動きを重視する。

 米国の物価高(インフレ)は全体的に和らいできたとはいえ、サービス分野でなお根強い。7月25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、いったん止めていた利上げの再開を決めた。

 金融市場では、年内にもう1回、利上げを行うかどうかが関心事になっている。窪田さんは言う。

「米国で利上げの打ち止め感が出たら、日本株も上昇に向かいやすくなります」

 利上げの局面が長く続くと、そのぶん景気を冷やしてしまう心配が大きくなる。物価高をうまく収められるかどうか、バランスに苦心している。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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日経平均はハイテク株の影響を受けやすい