宮崎謙介氏(本人提供)
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 岸田政権の支持率が大きく下がっている。朝日新聞が7月に公表した世論調査結果によると、内閣支持率は37%で、5月の46%から9ポイントも下落。「異次元」の少子化対策も65%が「評価しない」と答えた。岸田首相の取り組みにはどこに課題があるのか。男性の国会議員として初めて「育休宣言」をした元衆院議員の宮崎謙介氏は、今後予定される内閣改造で、「突破力」のある民間人の起用を提言する。

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 異次元の少子化対策は、岸田政権の肝いりの政策の一つとしてぶち上げられました。しかし、フタを開けてみれば、児童手当の拡充など子育て支援を中心とした既存の政策の域を脱しないものでした。

 拡充すること自体は良いことですが、これは子育て支援策であって、少子化問題の抜本的な解決策にはほど遠い内容になっています。

 政府の少子化対策を見ると、2人目以降も産みたいと考えている人たちにとって、メリットを感じる内容になっていると思います。結婚してすでに子どもがいる人たちにとっては、岸田首相が取り組む児童手当の拡充や高等教育費の負担軽減などは、助かると思ったでしょう。

 ただ、それだけでは足りません。例えば、2020年の国勢調査を見ると、生涯未婚率(50歳時未婚率)は男性で28.3%、女性で17.8%となっています。1985年は男女ともに4%前後、90年は男性5.6%、女性4.3%と低い水準でした。結婚したくてもできない人、結婚して子どもを産みたくてもできない人、というのは増えています。

 政府のこれまでの取り組みを見ていると、こういった人たちの課題や不安に向き合う政策にはなっていなかったと思います。

法律婚と事実婚との差

 女性であれば、社会進出による晩婚化で、出産適齢期とのズレが生じるようになっています。キャリアを取るのか、出産を取るのか、両方取りたくてもそうした選択は難しい現状があります。

 最近では、未婚の女性の「卵子凍結」が注目されています。出産もキャリアも両立させるためには卵子凍結は一つの有効な手段だと思いますが、保険適用外でかなりの費用がかかります。

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今の政治家に打破できるか