しかし、「人前で泣く男」を男が支持するわけがありません。男同士の優劣・勝負というのは「瞬発性(知力・体力・精力・経済力ともに)の有無」で決まります。故に、長々と情や理屈に訴えるようなタイプを認めてしまっては、自らの男らしさを否定することにも繋がるのです。かと言って、女性の味方をしない男は、女や社会から総スカンを食らってしまう。まさに男全体が負のスパイラルに陥っている状態。

 そして、相変わらず奔放に社会で活躍する既婚女性というのは、「家や子供を投げ出して無責任だ」と目の敵にされます。男の敵は男ではありませんが、女の敵は依然として女です。

 私は男ですが、特に女性の味方をしなかったところで何らかの支障が生じるタイプの男ではないからなのか、広末さんや愛ちゃんを見ていると、「行くとこまで行ったれ!」と心から思えて仕方ありません。

「親のせいだ」「男のせいだ」「学校のせいだ」「社会のせいだ」と自分の人生を憂い続けている人たちというのは、現状の自分を打破しない限り、一生何かに誰かに責任追及して生きていくだけです。聞く耳など持つ必要はないでしょう。

 おふたりぐらいの魅力があれば、男はもちろん、その内に女たちからの支持も、再び獲得する日が必ずや訪れると信じています。
 

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ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ

ミッツ・マングローブ/1975年、横浜市生まれ。慶應義塾大学卒業後、英国留学を経て2000年にドラァグクイーンとしてデビュー。現在「スポーツ酒場~語り亭~」「5時に夢中!」などのテレビ番組に出演中。音楽ユニット「星屑スキャット」としても活動する

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