内田樹と白井聡が日本の戦後について忌憚なく語りあった『日本戦後史論』は、発売前に重版が決まったらしい。日本を代表する論客と『永続敗戦論』で戦後日本の核心に迫った気鋭の学者による対談とあれば、読者の期待が高まるのも無理はない。私もすぐに手にとり、二人の分析と持論に導かれながら戦後日本の基調についてあれこれ考えた。 それはまず、白井が前著で指摘した「敗戦の否認」について復習することからはじまった…

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